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はじめに
脳の記憶方式は,現在のコンピュータで用いられているアドレス方式とはまったく異なる方式と考えられる。それは,神経回路のダイナミックスをアルゴリズムとして神経回路のニューロン間の結合の重みの空間に外界の時空間情報を写し取ることによって,内部表現が獲得されるというものである。この重みを変える規則が学習則である。外界の情報をその学習則を使ってニューロンとニューロンの結合空間に写し取ることが記憶の書き込みであり,その情報を想起することが記憶の読み出しである。
本研究では記憶の書き込みに注目し,短期記憶の場所として知られている海馬神経回路の可塑性の生理実験結果から,どのような学習則が働いているかを明らかにする。
There are fundamental differences of the memory system between the brain and the digital computer. The computer stores and retrieves memories guided by address information, whereas the brain stores memories over the weight space of neural networks through learning and retrieves them according to some dynamical processes.
In the course of establishing long-term memory, hippocampus plays an important role, i.e., to make short-term memory of spatially and temporally associated input information.
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