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特集 再生医療とリハビリテーション
再生医療とリハビリテーションの動向
Overview of regenerative medicine and rehabilitation
弓削 類
1
,
猪村 剛史
1
,
中川 慧
1
Louis Yuge
1
,
Takeshi Imura
1
,
Kei Nakagawa
1
1広島大学大学院医歯薬保健学研究院生体環境適応科学研究室
1Division of Bio-Environmental Adaptation Sciences, Graduate School of Biomedical and Health Sciences, Hiroshima University
キーワード:
再生医療
,
幹細胞
,
ロボティクス
,
評価
Keyword:
再生医療
,
幹細胞
,
ロボティクス
,
評価
pp.5-11
発行日 2017年1月10日
Published Date 2017/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200813
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はじめに
人工多能性幹細胞(induced pluripotent stem cells;iPS細胞)の発見から今年で10年となる.再生医療は,この10年間でマスコミやインターネットを通してポピュラーになり,その臨床応用への期待が大きく膨らんでいる.リハビリテーション医療とかかわりの深い脳血管障害,脊髄損傷,パーキンソン病などの中枢神経疾患,関節軟骨損傷や半月板損傷などの運動器疾患,狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患は,再生医療の対象疾患と目され,その治療にも期待が寄せられている.当初,再生医療は,後遺症や障害を残さない根治療法を目指した新規治療法と思われていたが,臨床試験が進むにつれ,細胞治療後のリハビリテーションの重要性が示されるようになった.
再生医療の実用化は,リハビリテーションの概念にとどまらず,臨床現場を大きく変える可能性がある.しかしながら臨床現場での再生医療とリハビリテーションとの関係性の理解度は低く,再生医療が実装化した場合にどのようなリハビリテーションが求められ,その課題とは何かも明確ではない.本稿では,再生医療の最近の動向について概説するとともに,再生医療が発展するなかでリハビリテーションに求められる役割や将来像について検討した.
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