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はじめに
医学・生物学の中で,脳の研究は非常に興味ある個体レベルでの研究である。生物体も歴史的には自然が成立つ階層レベルの研究として取り扱われてきた。すなわち個体,臓器(器官),組織,細胞,分子の階層に従って研究が進展してきた。生理学は上記の中,中の三つのレベルで正常機能を追求してきた。しかし近時はこの縦割的伝統科学を横断する分子生物学(生化学)と細胞生物学(生理学・薬理学)の発展により,本質的には個体レベルである脳研究へのアプローチも分子細胞生物学的に取り扱われ,現代の研究では階層性の取り扱いがきわめてあいまいになった。脳を含めた生物科学(医学)の研究の主要部分が分子細胞生物学的研究となってきた。しかし一方,器官には厳然と目的とする機能の相違があり,分子細胞生物学的研究という共通言語ともいえる研究方法をとりながら,機能の差による共通言語の誤解が少なくないように思われる。
ギャップ結合細胞間連絡もまさにこの一つで,共通言語であるギャップ結合細胞間連絡が,外分泌腺で,心臓で,脳(神経系)で,発生学で必ずしも共通に理解されてこなかった。
It is well known that there are many gap junctional intercellular communication, in other words, electrical synaps even in mammary central nervous system. However, little is known on its role. Simplest role is believed to make synchronization of the neuronal activity.
Much of the research in central nervous system has been developed and it would, now, be better to keep in mind about gap junctions for thinking brain function.
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