Japanese
English
特集 ギャップ結合
ギャップ結合と裏打ち
Gap junctions with undercoats
渡辺 皓
1
,
外崎 昭
1
Hiroshi Watanabe
1
,
Akira Tonosaki
1
1山形大学医学部解剖学第一講座
pp.630-634
発行日 1989年12月15日
Published Date 1989/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905400
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ギャップ結合(GJ)の機能的単位をなすコネクソンの集合状態が,細胞骨格あるいは裏打ち構造により調節を受けることが示唆されている1,2)。しかし,GJと裏打ちとの機能的関連性を示す形態学的所見は十分に得られていない。この理由の一つに,これまでよく調べられてきたGJの多くは,明瞭な裏打ちを形成していないことがあげられる3,4)。あるいは,これらのGJの裏打ちが,一般的に形態学的にとらえにくい構造なのかも知れない。
ところが,副腎クロマフィン細胞に見られるGJは,例外なく裏打ちを備えているし,哺乳類を含む多くの動物種の電気シナプスにも,特殊な裏打ちを備えたGJが観察されている5)。また,副腎のステロイド産生細胞のGJのように,細胞表面に平面的に広がる場合は特別な裏打ちを持たないが,GJ膜が隣接細胞のいずれかに陥入し取り込まれる際に特別な裏打ちを持つものも知られている6)。ここでは,こうした特徴的な裏打ちを備えたGJの構造について解説し,さらに裏打ちの機能的役割についても考察しようと思う。
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