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特集 ギャップ結合
ギャップ結合微細構造の多様性
Structural diversity of gap junctions
柴田 洋三郎
1
Yosaburo Shibata
1
1九州大学医学部解剖学教室
pp.625-629
発行日 1989年12月15日
Published Date 1989/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905399
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ギャップ結合は隣接した細胞間にあって,細胞質同士をチャネルで連絡する細胞小器官で,その基本的な構造単位はsubunit 6個が中央に親水性通路を取り囲んだ膜蛋白粒子connexonである。通常の電顕観察では,この基本素子が多数集合して斑状となり,ギャップ結合斑を形成している。切片像では,隣接細胞間に約2nmの間隙をもった2枚の単位膜が密接する細帯状の接合膜像を示し,凍結割断レプリカ像ではPF面(細胞質側割断面)に径8nmほどの粒子,EF面(細胞外側割断面)にはそれと相補的な小陥凹が集合したほぼ六角格子配列を呈する円盤状の膜分化構造として認められる1,2)。ところがこのような典型的なギャップ結合のほかに,同様の基本構築をもった膜構造が,細胞接合部以外の場所に出現したり,斑状集合以外のいろいろな粒子配列形態を示す例が広く知られている3)。
このような構造の多様性は,形成・発達や分解・回収の過程,構成分子の相違,線維系の関与,さらには機能状態などギャップ結合のもつさまざまな側面を反映したものであろうが,その因果関係や機構が明らかにされたものは少なく,主として現象の記述にとどまらざるをえない。一方,われわれは,最近ギャップ結合粒子の構成蛋白質の違いに対応して微細構造に相違がみられることを,ディープエッチレプリカ像で認めており,後半はそれについて記述したい。
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