特集 ギャップ結合
ギャップ結合特集によせて
菅野 義信
1
Yoshinobu Kanno
1
1広島大学歯学部口腔生理学教室
pp.610
発行日 1989年12月15日
Published Date 1989/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905396
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
1925年,今世紀のほぼ初頭,Schmidtmann女史は唾液腺細胞のpHを測定するため,指示色素を苦心して各種の唾液腺の細胞内に注入した。色素の発色を観察しているうち,色素の一部は隣接の細胞内へ流入移動するのに気づき,これを1〜2行記載した。Schleiden,Schwannの細胞独立説の強い時代,誰も注目する者もなく,この事実は忘れ去られてしまった。
1962年,LoewensteinとKannoはショウジョウバェ唾液腺で細胞膜と核膜の電気抵抗を調べているうち,細胞接合部の細胞膜の電気抵抗が異常に低いことに気づいた。LoewensteinはKufflerに,KannoはHagiwaraにそれぞれその事実を密かに告げたところ,2人とも他の組織や細胞で同じ経験をしたことがあると打ち明けている。KufflerはNichollsと共にヒルのgliaとneuronの低抵抗結合を発表した。
Copyright © 1989, THE ICHIRO KANEHARA FOUNDATION. All rights reserved.