特集 「診断エラー」を科学する!—セッティング別 陥りやすい疾患・状況
【セッティングⅢ】一般外来
❶がん(悪性腫瘍)
下井 辰徳
1
1国立がん研究センター中央病院 腫瘍内科
キーワード:
診断エラー
,
がん
,
悪性腫瘍
,
adolescent young adult
,
原発不明がん
,
希少がん
Keyword:
診断エラー
,
がん
,
悪性腫瘍
,
adolescent young adult
,
原発不明がん
,
希少がん
pp.588-592
発行日 2022年5月15日
Published Date 2022/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429203723
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Case
患者:19歳、女性。生来健康。
現病歴:1カ月続く左大腿部の腫脹を自覚したため、近くの診療所を受診したが、「異常なし」と言われ様子をみた。さらに2週間で明らかな増大を自覚し、近医整形外科を受診したが、「なんでもない」と言われた。しかし、1週間後に疼痛と運動への支障が出現したため、再度整形外科を受診したところ、画像検査で大腿部に腫瘤を認め、大学病院の受診を推奨された。
大学病院の整形外科では左大腿の「悪性軟部腫瘍」の診断となり、「下肢切断以外の方法がない」と言われて当院へ紹介となった。当院の病理再評価によって「横紋筋肉腫」の診断となり、VAC療法(ビンクリスチン、アクチノマイシンD、シクロホスファミド)を開始し、腫瘍縮小ののちに患肢温存のうえ切除と放射線治療を行った。術後5年経過し、再発を認めない。
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