特集 「診断エラー」を科学する!—セッティング別 陥りやすい疾患・状況
【セッティングⅢ】一般外来
—オーバービュー—「一般外来」における診断エラー
鋪野 紀好
1
1千葉大学医学部附属病院 総合診療科
キーワード:
診断エラー
,
医療訴訟
,
外来
,
患者受療行動
,
認知バイアス
Keyword:
診断エラー
,
医療訴訟
,
外来
,
患者受療行動
,
認知バイアス
pp.584-587
発行日 2022年5月15日
Published Date 2022/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429203722
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Case
感冒様症状・下痢で受診した一例
患者:19歳、男性
既往歴・家族歴:特記事項なし
現病歴:前日からの感冒様症状ならびに下痢のため、大病院(800床)の内科外来を受診した。下痢は昨日から水様便が1回のみで、腹痛の訴えはなかった。また、同様の患者とのシックコンタクトはない。
受診時バイタルサインは体温38.1℃、血圧102/56mmHg、脈拍数106回/分、呼吸数14回/分、SpO2 97%(室内気)。暫定的に「急性胃腸炎」と診断し帰宅指示としたが、その際の説明で「帰宅後に、息苦しさが出現したり、だるさが悪化してしまう場合は、他の原因の可能性も考えられるため、速やかに病院に電話をしてください」と伝えた。帰宅後の夜間に呼吸苦が出現。指示どおり救急外来を受診し、「急性心筋炎」の診断となった。
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