特集 「診断エラー」を科学する!—セッティング別 陥りやすい疾患・状況
【セッティングⅠ】救急外来
❶急性冠症候群/大動脈解離
川上 将司
1
1飯塚病院 循環器病内科
キーワード:
診断エラー
,
急性冠症候群
,
プラーク破綻
,
冠危険因子
,
不安定狭心症
,
大動脈解離
,
大動脈解離リスクスコア
,
Dダイマー
Keyword:
診断エラー
,
急性冠症候群
,
プラーク破綻
,
冠危険因子
,
不安定狭心症
,
大動脈解離
,
大動脈解離リスクスコア
,
Dダイマー
pp.557-561
発行日 2022年5月15日
Published Date 2022/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429203715
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Case
患者:60歳、男性
既往歴:高血圧症、糖尿病、脂質異常症
現病歴:3日前に労作時胸痛が出現、10分で改善した。6時間前、勤務中に同様の労作時胸痛が出現し、15分で改善した。帰宅後に家族に勧められて救急外来を受診。受診時は胸痛なく、心電図でST変化も認めず、心臓超音波検査でも壁運動異常を認めなかった。心筋トロポニン値も正常範囲内であった。狭心症の可能性があるため、ニトログリセリンを処方し翌日の循環器科受診を指示した。帰宅後、安静時胸痛が出現、ニトログリセリンを使用したが改善なく、救急搬送された。心電図では前胸部誘導でST上昇が認められ、primary PCI(直接的経皮的冠動脈インターベンション)の方針となった。
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