診察で使える!|急性期Point-of-Care超音波ベーシックス・17
肺炎を疑った時
亀田 徹
1
1安曇野赤十字病院救急科
pp.1138-1143
発行日 2018年8月15日
Published Date 2018/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429201659
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
肺炎を超音波で診断?
肺炎の診断は、病歴、身体所見、血液検査、喀痰グラム染色・培養、そして胸部X線で行われます。X線で肺野に浸潤影を認めれば、肺炎の診断はより確かになりますが、X線の精度は決して高くはなく1)、総合的な評価が求められ、必要に応じてCTが追加されます。CTの追加で肺炎の予後が改善するかについては明らかではありませんが、肺炎の診断精度が高まるのは事実です2)。
本邦では、以前より呼吸器領域で、超音波を用いた肺炎の診断について検討が行われていましたが3, 4)、広く普及には至りませんでした。近年Point-of-Care超音波が普及し、診察の一環として、超音波による肺炎の診断が注目されるようになっています。肺炎の診療において、将来Point-of-Care超音波は胸部X線を補うものとなるのか、果たしてX線の代用になりうるのか、近年報告された多くの臨床研究と実例をもとに、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
*本論文中、[▶動画]マークにつきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2020年7月31日まで)。
Copyright © 2018, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.