今月の主題 肺炎と肺臓炎
知っておくべき肺炎の基本的アプローチ
どういうときに肺炎を疑うか
前野 哲博
1
,
伴 信太郎
2
1筑波大学総合医コース
2川崎医科大学総合臨床医学
pp.1879-1881
発行日 1997年10月10日
Published Date 1997/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904715
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ポイント
●気道感染症状を呈する患者で,肺炎診断の感度の高い症状は咳(95%),特異度の高い症状は遷延する発熱(86%),胸膜痛(83〜95%)である.
●crackleの肺炎診断の感度は35%程度にすぎず,crackleがなくても肺炎を除外してはならない.
●肺炎に特徴的な聴診所見(気管支呼吸音,egophony,crackleなど)は感度は低いが特異度は高いので,聴取されれば胸部X線などの検査を行うべきである.
●胸部X線では,血管陰影のシルエット消失,区域性の容積減少などの所見も参考にする.陰影濃度上昇の有無だけで判断してはならない.
●高齢者は非定型的症状のみの場合があり,発熱,咳,痰を認めるのは約60%にすぎない.
●高齢者では,白血球数増加を呈するのは約50%にすぎず,核の左方移動しかみられないことがあるので注意が必要である.
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