診察で使える!|急性期Point-of-Care超音波ベーシックス・6
腹腔内出血を疑った時
亀田 徹
1
1安曇野赤十字病院救急科
pp.1246-1250
発行日 2017年9月15日
Published Date 2017/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429201127
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はじめに
内因性疾患に対してもFASTの手法を利用しよう!
腹腔内出血は時に致命的になるので、すばやく的確な診断が必要です。外傷初期診療の現場では、標準的手法としてfocused assessment with sonography for trauma(FAST)が確立され、心囊液貯留(心タンポナーデ)、血胸、そして腹腔内出血の評価が行われます。FASTのコンセプトは『外傷初期診療ガイドライン(改訂第5版)』で詳細に述べられていますので、そちらをご参照ください1)。FASTの手法は、内因性腹腔内出血の早期検出にも役立ちます。
内因性腹腔内出血の原因は、婦人科領域、肝、脾、血管疾患、凝固系異常など多岐に渡ります2)。腹腔内出血は通常突然発症で持続性の腹痛を呈し、時にショックに至ります。当初は腹痛のみで後にショックが顕在化することがあるので、初期評価で腹腔内出血の検出に努めるべきです。病歴と身体所見で腹腔内出血の可能性が少しでもあれば、引き続き診察室でPoint-of-Care超音波を行いましょう。
*本論文中、[▶動画]マークにつきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2019年8月31日まで)。
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