ジェネラリスト漢方Basics|東西2つの視点でアプローチ・8
「だるいし微熱があるのに、退院させられました…」—気虚;元気のない状態
岡部 竜吾
1
1伊那市国保美和診療所
pp.1135-1137
発行日 2018年8月15日
Published Date 2018/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429201658
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本連載では以前、漢方において“気”とは、人が死ぬと消えてしまう機能であると説明した。その“気”を高める機能を持つとされる生薬の代表が朝鮮人参だが、本連載タイトルの左上にあるイラストは「オバケ」や「謎の海洋生物」ではなく、まさに朝鮮人参を表している。
朝鮮人参の学名はPanax ginsengで、「Panax」とは、ギリシャ語の「pan(汎、全)」と「axos(薬)」から成り、“万能薬”の意味を持つ。朝鮮人参は野生株の採取は困難で、主に栽培される。私の住む長野県も朝鮮人参の産地だが、出荷できるまでに4〜6年を要し、採取した後の農地は痩せてしまうため、安定的な供給には広大な農地を要する。このことを考えても、無駄な漢方薬の処方は慎みたくなる。
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