診察で使える!|急性期Point-of-Care超音波ベーシックス・15
気胸を疑った時
亀田 徹
1
1安曇野赤十字病院救急科
pp.845-850
発行日 2018年6月15日
Published Date 2018/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429201544
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はじめに
呼吸音を視覚で捉えます!
以前より「超音波は聴診器の代わりになる」と言われてきましたが、“Point of Care”としての活用に注目が集まり、ポケットエコーの登場もあって、現実のものとなりました。聴診器で“音”として捉えられる情報は、超音波を用いれば“視覚”で捉えることができます。
気胸の超音波診断は、外傷診療の現場で多くの臨床研究が行われ、利用が進みました1)。自然気胸とは異なり、外傷初期診療では仰臥位で胸部X線を施行せざるをえず、X線では気胸が見逃される率が高くなります(occult pneumothorax)。感度が低い仰臥位X線を補う手段として、超音波に注目が集まるようになった訳です。一方、自然気胸の診断では、立位もしくは座位の胸部X線だけで事足りる場合が多いのですが、Point-of-Care超音波の活用が進めば、自然気胸の診断にも役立つ状況が生まれてくるでしょう。特にX線が施行できない院外では、利用価値が高くなります。
*本論文中、[▶動画]マークにつきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2020年5月31日まで)。
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