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特集 肝胆膵疾患に挑む―次世代へのメッセージ
各論
Paradoxical negative enhancement―肝ダイナミックMRIにおけるピットフォール
Paradoxical negative enhancement:a pitfall in gadolinium-enhanced dynamic MRI of hepatic tumors
角谷 眞澄
1
Masumi KADOYA
1
1信州大学医学部 画像医学講座
1Department of Radiology, Shinshu University School of Medicine
キーワード:
MRI
,
脂肪
,
細胞外液性Gd造影剤
,
Paradoxical negative enhancement
,
リピオドール
Keyword:
MRI
,
脂肪
,
細胞外液性Gd造影剤
,
Paradoxical negative enhancement
,
リピオドール
pp.555-565
発行日 2012年11月15日
Published Date 2012/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100635
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要旨
MRIの白黒を理解する過程で脂肪のかかわりに興味をいだき,同位相,逆位相の重要性を知った.細胞外液性Gd造影剤による造影MRIでは,逆位相で撮像すると脂肪成分を伴う病変では「造影されて白くなるべきなのに,むしろ黒くなる」現象が起こる.このparadoxical negative enhancementが,肝細胞癌の化学塞栓術で使用されているリピオドール®とGd造影剤との間でも起こることに気づき,ファントム実験で検証できた.MRIは,CTとは異なり,撮像原理が複雑で解釈も難しい.考えながら一歩ずつ進む.途方に暮れたら基本に戻る.そうした繰り返しの中で,臨床例が語りかけてくるヒントに気づくことがある.仮説を立て検証する.遠い道のりではあるが,楽しい過程である.
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