Japanese
English
特集 消化器の“前癌病変”と“ハイリスク病変”
膵・胆管合流異常と胆道癌
Pancreaticobiliary maljunction and bile duct carcinoma
新井田 達雄
1
,
高崎 健
1
,
吉川 達也
1
,
吾妻 司
1
Tatsuo ARAIDA
1
1東京女子医科大学消化器病センター外科
キーワード:
膵・胆管合流異常
,
胆嚢癌
,
胆管癌
Keyword:
膵・胆管合流異常
,
胆嚢癌
,
胆管癌
pp.209-213
発行日 1997年2月20日
Published Date 1997/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902644
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膵・胆管合流異常と胆管癌について,両者の関連について209例の自験例から検討した.胆道癌は,54例(25.8%)に併存した.胆管の拡張形態によって胆道癌の発生部位に特徴があり,嚢腫状拡張型124例では,胆嚢癌11例(8.9%),胆管癌12例(9.7%)が併存した.円筒状拡張型47例では,胆嚢癌11例(23.4%),胆管癌2例(4.2%)が併存した。非拡張型38例では,癌の発生部位は,全例胆嚢で20例(52.6%)あった。膵・胆管合流異常を有する症例の胆管癌発生年齢は,膵・胆管合流異常非併存例に比べて10歳ほど若かった。膵.胆管合流異常に対する基本的術式として分流手術を上げ,さらに胆管非拡張例に対しては胆嚢摘出術のみでも良いとの結論を得ている.また,胆道癌併存例の治療成績は不良であり,膵・胆管合流異常は癌併存以前にこれを発見し適切な手術がなされるべきであると考えられた.
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