Japanese
English
特集 十二指腸主乳頭と副乳頭の病態に迫る
総説
十二指腸副乳頭の臨床的意義
Clinical significance of minor duodenal papilla
神澤 輝実
1
,
原 精一
1
,
田畑 拓久
1
,
来間 佐和子
1
,
千葉 和朗
1
Terumi KAMISAWA
1
,
Seiichi HARA
1
,
Taku TABATA
1
,
Sawako KURUMA
1
,
Kazuro CHIBA
1
1がん・感染症センター都立駒込病院 内科
1Department of Internal Medicine, Tokyo Metropolitan Cancer and Infectious diseases Center, Komagome Hospital
キーワード:
副乳頭
,
副膵管
,
急性膵炎
Keyword:
副乳頭
,
副膵管
,
急性膵炎
pp.490-494
発行日 2012年9月15日
Published Date 2012/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100616
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要旨
膵臓は,背側膵原基と腹側膵原基が癒合して形成される.背側膵原基の主導管の開口部である副乳頭は,発生過程で退行し閉塞する例も少なくない.背側膵原基の主導管の腹側膵管との癒合部の近位側は副膵管(Santorini管)と呼ばれる.筆者らの検討では,副膵管は形態的にlong typeとshort typeに二分され,これらは機能的にも発生学的にも異なる所見を呈した.主膵管内色素注入法による副乳頭の開存率は,43%であり,副膵管の口径と走行形態および副膵管末端像と関連性を認めた.急性膵炎例の副乳頭開存率は低値であり,副膵管の開存は,第2の膵液ドレナージシステムとして,急性膵炎の発症を防止する安全弁として機能する可能性が示唆された.
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