Japanese
English
特集 膵・胆管合流異常の新たな展開―画像と病態
膵・胆管合流異常と発癌
Carcinogenic Mechanism in Anomalous Junction of the Pancreaticobiliary Duct
佐々木 民人
1
,
田妻 進
1
,
茶山 一彰
1
Tamito SASAKI
1
,
Susumu TAZUMA
1
,
Kazuaki CHAYAMA
1
1広島大学大学院医歯薬学総合研究科創生医科学専攻先進医療開発科学講座分子病態制御内科学
1Department of Medicine and Molecular Science,Division of Frontier Medical Science,Programs for Biomedical Research,Graduate School of Biomedical Sciences,Hiroshima University
キーワード:
膵・胆管合流異常
,
発癌
,
胆道癌
,
K-ras
,
p53
Keyword:
膵・胆管合流異常
,
発癌
,
胆道癌
,
K-ras
,
p53
pp.175-179
発行日 2003年3月15日
Published Date 2003/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100484
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要旨 膵・胆管合流異常は胆道癌を高率に発生する.合流異常では,胆管内に膵液が逆流することにより,変異原物質が産生され胆道粘膜の持続的な炎症が繰り返される.炎症に伴い誘導されるサイトカインや増殖因子の刺激により,胆道粘膜に過形成性病変が形成され,胆道粘膜の細胞増殖活性が亢進することが推測されている.そして,胆道粘膜にはK-rasやp53をはじめとした種々の遺伝子の変異が引き起こされ,最後には胆道癌が発癌すると考えられている.しかし,現時点では,癌化の初期の遺伝子異常は解明されておらず,直接的な変異原物質の同定もなされていない.今後,さらに多数例の症例を集積し,発癌の謎を解明していく必要がある.
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