Japanese
English
特集 肝胆膵の悪性腫瘍の早期診断をめざして―ハイリスクグループの設定と画像診断
膵癌のハイリスクグループ
慢性膵炎と膵癌
Connections between chronic pancreatitis and pancreatic cancer
粂 潔
1
,
正宗 淳
1
,
菅野 敦
1
,
伊藤 広通
1
,
渡辺 崇
1
,
濱田 晋
1
,
菊田 和宏
1
,
廣田 衛久
1
,
佐藤 賢一
1
,
朝倉 徹
1
,
下瀬川 徹
1
Kiyoshi KUME
1
,
Atsushi MASAMUNE
1
,
Atsushi KANNO
1
,
Hiromichi ITO
1
,
Takashi WATANABE
1
,
Shin HAMADA
1
,
Kazuhiro KIKUTA
1
,
Morihisa HIROTA
1
,
Kennichi SATOU
1
,
Tooru ASAKURA
1
,
Tooru SHIMOSEGAWA
1
1東北大学大学院 消化器病態学分野
1Division of Gastroenterology,Tohoku University Graduate School of Medicine,Miyagi
キーワード:
膵癌
,
慢性膵炎
,
遺伝性膵炎
,
熱帯性膵炎
,
SPINK1
Keyword:
膵癌
,
慢性膵炎
,
遺伝性膵炎
,
熱帯性膵炎
,
SPINK1
pp.215-222
発行日 2010年3月15日
Published Date 2010/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100250
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要旨
慢性膵炎患者における膵癌発生の相対的危険度は4~8といわれている.なかでも遺伝性膵炎や熱帯性膵炎では膵癌発生が極めて高率であるとされ,遺伝性膵炎では膵癌発症率が標準人口と比べて約50~60倍である.大結石型の膵石で高度な膵管拡張を示す症例は,膵癌合併の危険性がより高いと考えられる.当科で経験した膵癌を合併した慢性膵炎症例について遺伝子解析を行った結果,熱帯性膵炎や若年性膵炎と関連がある膵分泌性トリプシンインヒビター(SPINK1)遺伝子変異を8例中3例に同定した.膵癌の高危険群を同定できれば,症状の出現前から膵に注目した検査が行われ,早期診断の可能性が高くなると考えられる.
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