Japanese
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特集 肝胆膵の悪性腫瘍の早期診断をめざして―ハイリスクグループの設定と画像診断
膵癌のハイリスクグループ
IPMNと膵癌
Invasive ductal carcinoma of the pancreas concomitant with IPMN
山口 幸二
1
,
金光 秀一
1
,
皆川 紀剛
1
Koji YAMAGUCHI
1
,
Shuichi KANEMITSU
1
,
Noritaka MINAGAWA
1
1産業医科大学医学部 第一外科
1Department of Surgery 1,School of Medicine,University of Occupational and Environmental Health,Japan,Fukuoka
キーワード:
IPMN
,
IPMN併存膵癌
,
早期膵癌
Keyword:
IPMN
,
IPMN併存膵癌
,
早期膵癌
pp.223-228
発行日 2010年3月15日
Published Date 2010/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100251
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要旨
IPMNは腺腫より非浸潤癌,微小浸潤癌,さらにIPMN由来浸潤癌へと進展する疾患である.IPMNには異時性・同時性に他臓器癌が併存することが報告されているが,IPMNの周辺の膵管に通常型膵管癌が異時性・同時性に併存することも報告されている.また,そうした併存膵癌はより早期の膵癌が多く,予後が通常型膵癌より良好であることが報告されている.併存膵癌がIPMNに近接した場合,IPMN由来浸潤癌なのか,IPMN併存膵癌なのかの鑑別が困難となる.日本膵臓学会囊胞性膵腫瘍委員会チーム3ではチーム2と協力し,IPMN由来浸潤癌とIPMN併存膵癌の定義(案)を作成し,多施設よりIPMN症例を集積し,厳密に両者を診断した.厳密に診断した併存膵癌を通常型膵癌と比較すると併存膵癌はより早期の膵癌が多く,予後良好であった.浸潤癌の大きさを揃えて両者を比較すると併存膵癌は生物学的悪性度が低く,予後も良好であった.つまり,IPMNに注目するとより早期の,かつ予後良好な膵癌の発見につながる可能性が示された.
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