特集 慢性膵炎―ガイドライン改訂に向けて
1.慢性膵炎の病態(2)分子メカニズム
濱田 晋
1
,
菊田 和宏
1
,
粂 潔
1
,
正宗 淳
1
1東北大学大学院医学系研究科消化器病態学分野
キーワード:
アルコール
,
PRSS1
,
SPINK1
,
CPA1
,
TRPV6
Keyword:
アルコール
,
PRSS1
,
SPINK1
,
CPA1
,
TRPV6
pp.1303-1308
発行日 2020年9月20日
Published Date 2020/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001344
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慢性膵炎の最多の成因はアルコールである.アルコール代謝産物は膵腺房内での消化酵素活性化や小胞体ストレス増加・オートファジー不全により膵炎を惹起する.遺伝性膵炎の原因遺伝子同定により,トリプシン活性の亢進や小胞体ストレス増加が膵炎発症に寄与することがあらためて確認された.膵炎関連遺伝子として新たに同定されたカルシウムチャンネル遺伝子変異はまったく新しい膵炎発症機序の可能性を示唆している.遺伝子異常を含めた膵炎発症メカニズムの解析・原因治療の探索には疾患モデル動物や細胞モデルの構築が不可欠であり,今後の検討が必要である.
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