特集 慢性膵炎―ガイドライン改訂に向けて
4.慢性膵炎と膵発癌
田原 純子
1
,
清水 京子
1
1東京女子医科大学消化器内科
キーワード:
慢性膵炎
,
膵癌
,
膵発癌
Keyword:
慢性膵炎
,
膵癌
,
膵発癌
pp.1325-1329
発行日 2020年9月20日
Published Date 2020/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001348
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慢性膵炎は膵発癌のリスクファクターであることは知られている.さまざまな疫学研究により膵発癌リスクは高いことが示されている.とくに遺伝性膵炎においては非常にリスクが高く,若年発症であるため注意深い経過観察が必要となる.発癌機序についてもK‒ras 遺伝子変異や,細胞老化,膵星細胞などのさまざまな因子が関係しており,今後も解明が必要である.実臨床において慢性膵炎患者の膵発癌のスクリーニング法は確立していないが,飲酒や喫煙などの生活背景,遺伝的背景をもつ家族歴などリスクが高い患者においては,腹部超音波検査のみならず,腹部造影CT 検査やMRI 検査,超音波内視鏡などさまざまな検査の組み合わせにより,経過観察していく必要がある.
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