Japanese
English
特集 自己免疫性膵炎とその周辺
自己免疫(関連)性膵炎の診断に至るアプローチ―その病因・病態・臨床像
Diagnostic Approach of Autoimmune-Related Pancreatitis
岡崎 和一
1
,
内田 一茂
1
,
大花 正也
1
,
浅田 全範
1
,
千葉 勉
1
Kazuichi OKAZAKI
1
,
Kazushige UCHIDA
1
,
Masaya OHANA
1
,
Masanori ASADA
1
,
Tsutomu CHIBA
1
1京都大学光学医療診療部消化器内科
1Department of Gastroenterology and Endoscopic Medicine, Kyoto University Hospital
キーワード:
自己免疫性膵炎
,
膵管狭細型膵炎
,
脱炭酸水素化酵素
,
ラクトフェリン
Keyword:
自己免疫性膵炎
,
膵管狭細型膵炎
,
脱炭酸水素化酵素
,
ラクトフェリン
pp.17-23
発行日 2002年1月15日
Published Date 2002/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427900365
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近年,自己免疫関連性膵炎の概念が新しいclinical entityとして注目を浴びつつある.急性膵炎を思わせる症状の欠如,自己免疫疾患の合併,自己抗体の存在,血中γグロブリン値の高値,膵のびまん性腫大,ERP上主膵管のびまん性不整狭窄,総胆管狭窄,リンパ球浸潤を伴う線維化,ステロイドの有効性などが臨床的特徴である.原因や発症機序は不明である.診断の第一歩としてこの疾患の存在を知っていることが重要である.画像所見は特徴的であり,腹部超音波検査・CTでのびまん性腫大やびまん性膵管狭細像は重要な所見である.膵内総胆管狭細化,黄疸発症のことが多く,膵頭部癌や胆管癌との鑑別が問題となる.本疾患が強く疑われるも悪性疾患を否定できない場合,細径針による超音波内視鏡下膵生検やステロイドの診断的治療法が有用なこともある.
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