Japanese
English
特集 肝転移―治療戦略と画像診断
外科からみた肝転移の診断と手術術式
Diagnosis and Resection Procedure of Metastatic Liver Cancer
梛野 正人
1
,
神谷 順一
1
,
上坂 克彦
1
,
湯浅 典博
1
,
小田 高司
1
,
佐野 力
1
,
山本 英夫
2
,
早川 直和
2
,
金井 道夫
3
,
二村 雄次
1
Masato NAGINO
1
,
Junichi KAMIYA
1
,
Katsuhiko UESAKA
1
,
Norihiro YUASA
1
,
Kouji ODA
1
,
Tsuyoshi SANO
1
,
Hideo YAMAMOTO
2
,
Naokazu HAYAKAWA
2
,
Michio KANAI
3
,
Yuji NIMURA
1
1名古屋大学医学部第一外科
2東海病院外科
3春日井市民病院外科
1The First Department of Surgery. Nagoya University School of Medicine
2Department of Surgery, Toukai Hospital
3Department of Surgery, Kasugai-Shimin Hospital
キーワード:
転移性肝癌
,
肝切除
,
多発肝転移
,
肝尾状葉転移
,
胆管内腫瘍栓
Keyword:
転移性肝癌
,
肝切除
,
多発肝転移
,
肝尾状葉転移
,
胆管内腫瘍栓
pp.526-532
発行日 1999年7月15日
Published Date 1999/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427900079
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転移性肝癌,特に多発転移例の術前診断では転移巣の個数と部位を正確に診断することが重要である.現状ではCTによる診断が最も一般的であり,かつ信頼性が高い.尾状葉への転移では,下大静脈,主肝静脈,肝門部のグリソン系脈管への浸潤が容易に起こるので,これら重要脈管への浸潤の有無,程度を診断し,合理的な術式を立案する.胆管内腫瘍栓を伴う転移はまれではあるが,腫瘍栓の進展程度を鮮明な胆管像から診断する必要がある.対象例の大部分が正常肝であるので転移性肝癌に対する肝切除は安全に施行できる.また,胆道再建や神経叢郭清を行う必要がないので,通常,手技的に困難な症例は少ない.切除の可能性があれば積極的に肝切除を行うべきであろう.
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