Japanese
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特集 肝転移―治療戦略と画像診断
肝切除の立場からみた肝転移の治療成績
Outcome of Resection of Hepatic Metastases from Colorectal Carcinoma
中村 達
1
,
鈴木 昌八
1
Satoshi NAKAMURA
1
,
Shohachi SUZUKI
1
1浜松医科大学医学部第2外科
1Department of Surgery II. Hamamatsu University School of Medicine
キーワード:
転移性肝癌
,
肝切除
,
再肝切除
Keyword:
転移性肝癌
,
肝切除
,
再肝切除
pp.471-475
発行日 1999年7月15日
Published Date 1999/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427900072
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1978年から約21年間に結腸,直腸癌の肝転移に対して85例の肝切除を経験した.初回肝切除において2例の術死,および耐術83例中10例に術後合併症をみた.83例中57例に再発を認め,肝に再発した39例中24例に再肝切除を行った.再肝切除後の3年生存率は58%,5年生存率は14%であった.肝以外の臓器での転移再発に対する切除後の3年生存率,5年生存率はともに23%であった.肝門部リンパ節の郭清を44例に行い7例に転移を認めたが,そのうち3例は5年以上長期生存した.85例の遠隔成績は5年生存率が49%,10年生存率が33%であった.
結腸直腸癌の肝転移に対する肝切除術,および再肝切除術は安全な治療法である.肝内転移数3個以内の例が有意に生存率が良かった.再肝切除術,肝門部リンパ節郭清は生存率を向上させるoptionであり,適切な術式の選択のもとに積極的に取り組むべきである.
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