特集 転移性肝腫瘍に対する肝切除
Ⅱ.各論 6)胃癌肝転移に対する肝切除
野田 剛広
1
,
小林 省吾
1
,
黒川 幸典
1
,
藤谷 和正
2
,
土岐 祐一郎
1
,
江口 英利
1
1大阪大学大学院医学系研究科外科学講座・消化器外科学
2大阪急性期・総合医療センター消化器外科
キーワード:
胃癌肝転移
,
転移性肝癌
,
肝切除
Keyword:
胃癌肝転移
,
転移性肝癌
,
肝切除
pp.1071-1079
発行日 2025年6月15日
Published Date 2025/6/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000004499
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胃癌の肝転移における転移経路は血行性転移と考えられる。しかし,胃癌における転移経路にはリンパ節転移や腹膜播種などの血行性転移以外の転移経路の頻度が高く,胃癌肝転移症例においては肝転移巣以外の微小転移の存在が危惧される。そのため大腸癌やGIST(gastrointestinal stromal tumor)の肝転移と比較して,肝転移に対する肝切除の適応は慎重に検討されてきた。近年になり,化学療法や分子標的薬,免疫チェックポイント阻害剤などの進歩に伴い,胃癌肝転移に対する外科的切除例が増加傾向である。

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