発行日 2003年1月1日
Published Date 2003/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2003163842
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主肝静脈根部に浸潤した肝癌切除に対する肝静脈再建の必要性は徐々に認識されつつある.著者等は術前の肝静脈間の交通の程度の評価,機能的残肝volume測定及び術中肝静脈遮断による肝うっ血の有無を指標として肝静脈再建を行ってきた.従来の肝静脈造影に加え,最近では3D-CTやカラードプラによる血行動態の評価が行われている.肝静脈再建の適応決定は,肝静脈ばかりでなく,肝動脈と門脈の血行動態も十分把握したうえで行う必要がある.この残肝機能温存のため肝切除術に導入した肝静脈再建は肝移植の分野で注目されてきており,今後,肝静脈再建の適応と意義は更に明確になるものと思われる
©Nankodo Co., Ltd., 2003