Japanese
English
特集 進行胆嚢癌の手術適応―画像と治療
肝浸潤,他臓器浸潤を伴った進行胆嚢癌の手術成績
Outcome of Surgical Treatment of Patients with Gallbladder Carcinoma with Invasion of the Liver and Other Organs
中村 達
1
,
鈴木 昌八
1
,
土屋 泰夫
1
Satoshi NAKAMURA
1
,
Shouhachi SUZUKI
1
,
Yasuo TSUCHIYA
1
1浜松医科大学第2外科
1The Second Department of Surgery, Hamamatsu University School of Medicine
キーワード:
胆嚢癌
,
肝切除
,
リンパ節郭清
Keyword:
胆嚢癌
,
肝切除
,
リンパ節郭清
pp.663-666
発行日 1999年9月15日
Published Date 1999/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427900098
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47例の胆嚢癌患者に切除術を行い,そのうち近接した臓器に浸潤した進行胆嚢癌患者24例の治療成績について検討した.右肝3区域切除あるいは拡大肝右葉切除術を8例に,肝膵同時切除術(以下HPD)を12例に,S4a+S5切除術を4例に,門脈再建を9例に行い,リンパ節の郭清は5,8,12,13a,16b1を中心に行った.術後合併症は46%に起こり,特にHPD術後は67%に合併症をみた.術死,在院死はなかった,24例の1年,3年,5年生存率はそれぞれ54.2%,24.3%,19.4%であった.Stage IVaのI例に右肝3区域切除+門脈再建を行い,228か月の現在最長生存中の1例を得た.姑息的なS4a+S5切除による予後の延長は期待できなかった.
肝,あるいは他臓器に浸潤した胆嚢癌に対する手術療法は一般に拡大手術が行われる.しかし,その予後は悪い.筆者らはこれまでにStage IV胆嚢癌に対して,積極的に切除術を行ってきたが,長期生存を得ることは至難のことである1).肝や他臓器に浸潤した進行胆嚢癌の治療は,どこまで郭清するか,肝はどの範囲まで切除するか,膵頭部切除は必要か,傍大動脈リンパ節転移例にはどのような治療がよいかなど,まだ議論の多いところである.本論文では筆者らの成績をもとに進行胆嚢癌の治療方針とその成績について述べる.
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