Japanese
English
臨床報告
完全内臓逆位症に合併した転移性肝癌に対する右肝切除術
Right hepatectomy for metastatic colon cancer in a patient with situs inversus
宮原 洋司
1
,
竹内 男
1
,
金子 高明
1
,
三浦 世樹
1
,
神谷 潤一郎
1
,
尾形 章
1
Yoji MIYAHARA
1
1松戸市立総合医療センター外科
キーワード:
内臓逆位
,
肝切除
,
転移性肝癌
Keyword:
内臓逆位
,
肝切除
,
転移性肝癌
pp.1268-1272
発行日 2019年10月20日
Published Date 2019/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407212637
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要旨
症例は81歳,男性.貧血精査にて横行結腸癌,同時性多発肝転移と診断された.原発巣切除術を先行し,化学療法を施行後,肝腫瘍の縮小を認めたため,右肝切除術・S2, S3部分切除術を施行した.肝切除術前の腹部造影CT検査にて,完全内臓逆位症を認めるほか,総肝動脈を欠損し,副肝動脈から全肝が栄養されるAdachi分類Ⅵ型26群に相当する脈管変異を認めた.内臓逆位症を合併する患者における手術に際しては術野が鏡像となること,脈管の変異および合併奇形が多いことが問題となるが,術前の画像評価により解剖を把握し,術者の立ち位置や役割分担を工夫することにより,肝葉の脱転や脈管処理を必要とする高難度手術である右肝切除術でも安全に施行することができた.
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