Japanese
English
症例報告
IPMT由来浸潤癌と通常型膵管癌との鑑別が問題となった1例
A Case of Invasive Carcinoma Derived from Intraductal Papillary-mucinous Tumor of the Pancreas Indistinguishable from Pancreatic Ductal Carcinoma
糸川 文英
1
,
真口 宏介
1
,
高橋 邦幸
1
,
潟沼 朗生
1
,
小山内 学
1
,
石渡 裕俊
1
,
安保 義恭
2
,
篠原 敏也
3
Fumihide ITOKAWA
1
,
Hiroyuki MAGUCHI
1
,
Kuniyuki TAKAHASHI
1
,
Akio KATANUMA
1
,
Manabu OSANAI
1
,
Hirotoshi ISHIWATARI
1
,
Yoshiyasu ANBO
2
,
Toshiya SHINOHARA
3
1手稲渓仁会病院消化器病センター
2手稲渓仁会病院外科
3手稲渓仁会病院病理
1Center for Gastroenterology,Teine-Keijinkai Hospital
2Department of Gastrointestinal-surgery Teine-Keijinkai Hospital
3Department of Pathology,Teine-Keijinkai Hospital
キーワード:
IPMT
,
IPMT由来浸潤癌
,
通常型膵管癌
,
急性膵炎
,
膵囊胞性病変
Keyword:
IPMT
,
IPMT由来浸潤癌
,
通常型膵管癌
,
急性膵炎
,
膵囊胞性病変
pp.357-366
発行日 2006年5月15日
Published Date 2006/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100165
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要旨 患者は68歳女性.心窩部痛を主訴に近医受診し,急性膵炎が疑われ当院紹介受診となる.EUSにて膵頭下部に境界明瞭な球形の低エコー腫瘤像を認め囊胞性病変を疑った.ERPで十二指腸乳頭開口部の開大は認めず,造影にて病変との交通は認めなかった.IDUSは膵頭部の内部にエコーソースを有する低エコー腫瘤像として描出された.MRIではT2強調像で病変は高信号を示し内部にsignal defectを一部認めた.造影では病変内に造影効果はみられなかった.確定診断に至らず1か月後再検査を予定していたが,2週間後に急性膵炎を再発症し緊急入院となった.EUS再検にて初回と同様,膵頭下部に球形の病変を認め,病変の辺縁には被膜様構造が肥厚しているように観察され,内部には鏡面構造に類似した所見がみられsludgeなどの貯留と推測した.血流評価のために造影CTを施行したが,内部に造影効果を認めなかった.以上の所見から,膵頭十二指腸切除術を施行.術後病理では線維化の中に散在性に浸潤した管状腺癌を認めた.最終病理診断としてIPMT由来の浸潤癌と通常型膵管癌との鑑別が問題となったので報告する.
(消化器画像2006;8:357-366)
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