特集 IPMNと通常型膵管癌の合併は稀か?
座談会
IPMNと通常型膵管癌の合併―病理の抱える問題点(臨床からの質問)
渡辺 英伸
1
,
須田 耕一
2
,
柳澤 昭夫
3
,
山雄 健次
4
,
真口 宏介
5
1PCL Japan病理・細胞診センター
2東京西徳州会病院病理科
3京都府立医科大学大学院人体病理学
4愛知県がんセンター中央病院消化器内科
5手稲渓仁会病院消化器病センター
pp.373-387
発行日 2007年7月15日
Published Date 2007/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100599
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真口(司会) お忙しいところお集まりいただきありがとうございます.今日は,日本の膵臓の病理をリードされておられます,3人の先生がたにご参加いただきまして,「IPMN(intraductal papillary-mucinous neoplasm)と通常型膵管癌の合併」に関して,現在抱えている病理学的問題点を明らかにし,それを整理して,臨床にフィードバックすることを目的に座談会を企画させていただきました.司会は私と山雄健次先生で務めさせていただきますのでよろしくお願いいたします.
さて,IPMNに関する話題として通常型膵管癌(以下通常型膵癌)の合併があります.その頻度は山口幸二先生(九大)らは9.2%と報告しており,他施設からも同様の報告が続いております.この事象は,IPMNの発生した膵自体が通常型膵癌の発生母地となっているという考え方,単にIPMNに偶然通常型膵癌が合併したという考え方もあると思います.さらには,IPMNから発生した癌が浸潤して,ほとんど通常型膵癌と同様の進展様式をとるものがあるという考え方もあるでしょうから,おおいに議論の余地があると思います.
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