Japanese
English
特集 肝胆膵の救急画像
急性膵炎―CTを中心とする病態把握
CT Imaging Diagnosis and Grade of Severity of Acute Pancreatitis
片岡 慶正
1
,
高田 龍介
1
,
金光 大石
1
,
伊藤 令子
1
,
元好 朋子
1
,
阪上 順一
1
,
光藤 章二
1
,
岡上 武
1
Keisho KATAOKA
1
,
Ryusuke TAKADA
1
,
Daisuke KANEMITSU
1
,
Reiko ITOH
1
,
Tomoko MOTOYOSHI
1
,
Junichi SAKAGAMI
1
,
Shoji MITSUFUJI
1
,
Takeshi OKANOUE
1
1京都府立医科大学消化器病態制御学
1Department of Gastroenterology and Hepatology,Kyopto Prefectural University of Medicine,Graduate School of Medicine
キーワード:
急性膵炎
,
CT診断
,
膵壊死
,
進展度診断
,
重症度判定
,
合併症
Keyword:
急性膵炎
,
CT診断
,
膵壊死
,
進展度診断
,
重症度判定
,
合併症
pp.261-272
発行日 2004年3月15日
Published Date 2004/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100352
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要旨 急性膵炎の診断には臨床徴候,生化学的検査とともに画像診断が重要である.中でもCTは消化管ガスや腹壁・腹腔内脂肪の存在に左右されることなく高い客観性をもって,膵腫大,炎症に伴う脂肪壊死と滲出液貯留の存在とその広がり,囊胞・膿瘍・出血などの存在および質的診断に有用性が高い.急性膵炎診療の場において各種画像診断の中でCT検査はgold standardである.急性膵炎そのものの存在診断は単純CTで十分であるが,予後を大きく左右する膵壊死の有無とその範囲の質的診断には造影CTが不可欠である.臨床の場においては救命率を向上させるために急性膵炎の重症化阻止とその対策を念頭に置き,経過において想定される病態と合併症に留意して,単純CTと造影CTの施行時期を誤ることなく使い分けることが重要である.わが国で開発され臨床応用の進む動注療法の適応と施行時期を考慮に入れた浮腫性膵炎と壊死性膵炎のCTによる鑑別が早期重症化に伴う致死率低下に貢献し,さらには膵感染症の早期発見が救命率の改善に大きな役割を果たしている.今後造影CTによるGrade分類の応用が望まれる.
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