特集 急性膵炎診療ガイドライン改訂とPancreatitis Bundles を読み解く
6.急性膵炎における抗菌薬投与の考え方
岡本 好司
1
,
上原 智仁
1
,
野口 純也
1
,
沖本 隆司
1
,
又吉 信貴
1
,
山吉 隆友
1
,
新山 新
1
,
木戸川 秀生
1
1北九州市立八幡病院外科/消化器・肝臓病センター
キーワード:
急性膵炎
,
予防的抗菌薬
,
重症度判定
,
Pancreatitis Bundles
,
プロカルシトニン
Keyword:
急性膵炎
,
予防的抗菌薬
,
重症度判定
,
Pancreatitis Bundles
,
プロカルシトニン
pp.1055-1060
発行日 2023年6月20日
Published Date 2023/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002718
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国内外で,急性膵炎に対する予防的抗菌薬の投与は未だ多くの症例に行われている.一方で,多くのガイドラインでは軽症例については,予防的抗菌薬の使用は多剤耐性菌や真菌感染症の観点から,漫然と行うべきではないとされ,国内では次第に予防的抗菌薬投与は行われなくなりつつある.重症例では,短期間に重症化し,膵や膵周囲に感染が及ぶと敗血症や臓器障害を容易に発症し,予後が悪化することが知られており,予防的抗菌薬の使用についての結論が出ていない.現時点では,胆道感染合併や膵壊死部の感染が疑われる症例,免疫力低下などの限定的な症例に予防的抗菌薬投与を行うべきである.
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