Japanese
English
特集 肝胆膵の救急画像
膵外傷―症例からみた病態・診断・治療の問題点
Problems in the Diagnosis and Treatment of Pancreatic Trauma
木村 理
1
,
布施 明
1
,
神賀 正博
1
,
馬 晋峰
1
,
鈴木 明彦
1
,
蜂谷 修
1
,
横山 英一
1
,
渡辺 利広
1
,
矢野 充泰
1
,
桜井 文明
1
Wataru KIMURA
1
,
Akira FUSE
1
,
Masahiro KAMIGA
1
,
Jinfeng MA
1
,
Akihiko SUZUKI
1
,
Osamu HACHIYA
1
,
Eiichi YOKOYAMA
1
,
Toshihiro WATANABE
1
,
Mitsumasa YANO
1
,
Fumiaki SAKURAI
1
1山形大学医学部器官機能統御学消化器・一般外科学(第一外科)
1First Department of Surgery ,Yamagata University School of Medicine
キーワード:
尾側膵切除
,
膵周囲ドレナージ
,
合併損傷
Keyword:
尾側膵切除
,
膵周囲ドレナージ
,
合併損傷
pp.253-260
発行日 2004年3月15日
Published Date 2004/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100351
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要旨 膵外傷は診断が困難な場合が多い.それは,後腹膜に横長に広がるという膵の解剖学的特殊性や,高率に合併する他臓器の損傷により膵の損傷が見逃されやすいという理由による.膵が単独で損傷を受けたときには外科手術を必要とする場合と必要としない場合がある.したがって膵の損傷の有無や程度を的確に診断し,手術適応を決定しなくてはならない.そのためには,血清アミラーゼ測定やCT検査を経時的に繰り返し行う必要がある.他臓器の合併損傷によって緊急開腹をする場合には,手術中に膵を十分に観察する必要がある.損傷を受けた膵に対する外科的治療としては,約80%の症例で膵周囲のドレナージ手術あるいは膵尾側切除術によって対応できることを念頭に置かなくてはならない.全身状態や合併損傷の重症度を考慮し,過大侵襲にならないような手術を心がける必要がある.
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