Japanese
English
特集 肝胆膵の救急画像
重症急性膵炎
Morphological Evaluation for Severe Acute Pancreatitis
竹山 宜典
1
Yoshifumi TAKEYAMA
1
1近畿大学医学部外科肝胆膵部門
1Department of Surgery,Division of Hepato-biliary-pancreas Surgery,Kinki University School of Medicine
キーワード:
急性膵炎
,
重症度スコア
,
CT
,
MRI
Keyword:
急性膵炎
,
重症度スコア
,
CT
,
MRI
pp.274-280
発行日 2004年3月15日
Published Date 2004/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100353
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
要旨 重症急性膵炎の診療における画像の役割としては,急性膵炎の重症度判定と重症膵炎経過中の合併症の診断が重要である.急性膵炎の重症度判定や経過観察には,現時点ではCTが必須の検査である.急性膵炎の重症度判定基準は,主として複数の血液検査所見を組み合わせてスコア化することが一般的である.わが国の厚生労働省の急性膵炎重症度判定基準では,臨床徴候や血液検査所見と並列して単純CT所見が組み込まれているが,欧米ではCT所見を他の検査所見とは切り離して,形態学的変化のみによる重症度診断をすることが一般的である.さらに,膵や周辺臓器の虚血・壊死を判定しえる造影CTが重症膵炎の診断には不可欠となっており,造影CT所見から膵炎の重症度判定を行う試みがなされ,良好な結果が報告されている.また,MRIはCTと同等の情報が得られるとされ,特に造影CTと組み合わせることにより仮性囊胞,膵膿瘍,感染性膵壊死などの合併症の診断に有用である.今後は,造影CTによる重症度判定基準の有用性を検証するとともに,MRIを含めた他の画像診断の有用性に関する解析がなされるべきであろう.
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.