連載 臨床で役立つ末梢神経病理の読み方・考え方・2
血管炎性ニューロパチー
佐藤 亮太
1
,
神田 隆
1
1山口大学大学院医学系研究科臨床神経学
pp.531-536
発行日 2019年5月1日
Published Date 2019/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416201307
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はじめに
血管炎性ニューロパチーは,典型的には多発性単神経障害のパターンを呈し,電気生理学的に軸索障害型の末梢神経障害を示すことが多い1)。確定診断には血管炎の存在を組織学的に証明することが必須である。血管炎性ニューロパチーで血管炎の標的となる小動脈・細動脈は,末梢神経の終動脈であり,閉塞すると側副血行路からの血液供給が期待できないため虚血性末梢神経障害をきたす。急速に進行している末梢神経障害で血管炎性ニューロパチーが疑われる場合には,血液検査,電気生理学的検査,末梢神経生検で迅速に診断し,可能な限りすみやかに治療を開始することが求められる。診断の遅れが重篤な後遺障害に直結する点は脳梗塞と同様である。連載第2回目となる今回は,迅速かつ正確に血管炎性ニューロパチーの病理診断を行うために,キーとなる病理像を解説する。
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