増刊号特集 Brush Up! CDE 糖尿病合併症事典
Ⅱ慢性合併症
【細小血管障害】
眼合併症
その他の眼合併症
本間 慶
1
,
山下 英俊
2
1公立置賜総合病院 眼科
2山形大学医学部 眼科学講座
キーワード:
①糖尿病角膜症
,
②血管新生緑内障
,
③虚血性視神経症
,
④糖尿病性眼球運動障害
,
⑤糖尿病性白内障
Keyword:
①糖尿病角膜症
,
②血管新生緑内障
,
③虚血性視神経症
,
④糖尿病性眼球運動障害
,
⑤糖尿病性白内障
pp.245-248
発行日 2014年4月15日
Published Date 2014/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101699
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
症例 75歳 男性 血管新生緑内障
主訴:両眼の視力低下,眼痛
現病歴:1カ月前からの両眼の視力低下を自覚.昨日から眼痛も出現したため受診.
眼科受診時の視力:右0.1(0.2×-3.0D cyl-2.5DAx90°),左0.1(矯正不能).
眼圧:右43mmHg,左51mmHg.
眼科医師の診察上,両眼とも虹彩縁に新生血管,隅角にもほぼ全周に新生血管,一部に虹彩前癒着が認められた.また高眼圧のため,両眼とも角膜浮腫(右眼は軽度)が認められた.
これまでの他科受診歴を調べたところ,5年前に糖尿病内科への受診歴があり,その際にHbA1c 10.5%のため内科外来受診の予約が入っていたが,そのまま通院せずに放置していた.
眼底を診察したところ,視神経乳頭近くに増殖膜が広がっており,新生血管も多数認められたため,フルオレセイン蛍光眼底造影検査を試行したところ,網膜血管新生,視神経乳頭上の新生血管と広範囲の網膜毛細血管床閉塞領域が認められた.
早急な汎網膜光凝固術が必要と判断し,左眼については即日施行されたため,次第に眼圧は正常値まで改善し,新生血管も消退した.
しかし右眼については,角膜浮腫が強く,汎網膜光凝固術を施行できなかったため,線維柱帯切除術を行った.術後2週間で眼圧コントロールがつき,角膜浮腫も改善したため,白内障手術と眼内レンズ挿入術,硝子体手術と術中網膜光凝固を試行した.その後,両眼とも眼圧は10~20mmHg程度にコントロールされたので,退院となった.
Copyright © 2014, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.