話題
糖尿病の眼合併症
福田 雅俊
1
1東大眼科
pp.1368
発行日 1965年9月10日
Published Date 1965/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200992
- 有料閲覧
- 文献概要
糖尿病による眼合併症には,糖尿病性網膜症,白内障,虹彩炎,視神経炎や,麦粒腫,眼窩膿瘍のごとき感染症,眼筋麻痺や屈折異常,調節衰弱のごとき,神経または機能障害などが古くから知られているが,合併する頻度の高いものは,網膜症,白内障,屈折異常などである。
屈折異常とは,短期間のうちに近視となつたり遠視となつたりするもので成人ではふつうは起こりえない現象であり,血糖値の変動と関連があるといわれているが,眼内液(とくに房水)の屈折率の変化や,調節筋の異常などに由来するものらしい。しかしこれらは眼鏡を使用することにより支障を取りのぞくことができるが,いかにしても視力障害をのぞきえないものは網膜症である。
Copyright © 1965, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.