増刊号特集 Brush Up! CDE 糖尿病合併症事典
Ⅱ慢性合併症
【細小血管障害】
眼合併症
糖尿病網膜症
北野 滋彦
1
1東京女子医科大学糖尿病センター 眼科
キーワード:
①単純糖尿病網膜症
,
②増殖前糖尿病網膜症
,
③増殖糖尿病網膜症
,
④糖尿病黄斑浮腫
,
⑤血管新生緑内障
Keyword:
①単純糖尿病網膜症
,
②増殖前糖尿病網膜症
,
③増殖糖尿病網膜症
,
④糖尿病黄斑浮腫
,
⑤血管新生緑内障
pp.241-244
発行日 2014年4月15日
Published Date 2014/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101698
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症例 40歳 男性
32歳時に糖尿病を指摘されている.通院は不定期で,血糖コントロールは不良であったが,昨年1月より本格的に治療に専念し,グリクラジドおよびシタグリプチン内服でHbA1cは10.5%から6.7%に改善した.しかし,7月に眼科を受診したところ,糖尿病網膜症を指摘され,さらに,本年3月に左眼飛蚊症を自覚して眼科を再診したところ,「さらに糖尿病網膜症が悪化している」と言われ,眼科的治療のため当科紹介初診となった.
初診時の矯正視力は右眼0.8,左眼1.0であったが,両眼に増殖糖尿病網膜症がみられた.右眼に新生血管がみられ(図1A),左眼には硝子体出血を生じていた(図1B).HbA1cは6.3%で,BMIは32.7kg/m2.蛍光眼底検査を施行すると,右眼鼻側に血管閉塞に隣接するように新生血管がみられ(図2A),左眼は網膜上新生血管のほか,乳頭上新生血管も認められ,新生血管の破綻による硝子体出血を生じていた(図2B).現在,両眼に汎網膜光凝固を施行して経過を追っている.右眼はパターンスキャンレーザー(図3A),左眼は通常の光凝固を施行している(図3B).
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