Japanese
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特集 どうしたらやせられる?―名人の示す実例集
Ⅱ実践肥満攻略法
効果的な運動療法の指導法
Effective theaching approach : exercise therapy
星野 武彦
1
,
藤沼 宏彰
1
,
鈴木 進
2
1太田西ノ内病院 運動指導室
2太田西ノ内病院 糖尿病センター内科
キーワード:
①心理的背景
,
②段階的な指導
,
③リバウンドポイント
,
④運動指導
,
⑤運動支援
Keyword:
①心理的背景
,
②段階的な指導
,
③リバウンドポイント
,
④運動指導
,
⑤運動支援
pp.53-58
発行日 2011年1月15日
Published Date 2011/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101138
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はじめに
2008年度の国民健康・栄養調査によると,わが国における肥満者の割合は男性28.6%,女性20.6%で,男性の40歳代,50歳代では3人に1人が肥満となっている.「体重を減らしたい」と思っている人の割合は,男性で40.5%,女性で51.6%と男性よりも女性のほうが体重に対しての意識が高いことが伺える.しかし,肥満者の男性に限ると,3人に2人以上(70.2%)は「体重を減らしたい」と考えていると報告されている.このように,増加した自分の体重に対して「何とかしたい」と考えている人の割合は少なくない.病気もなく,痛みもない肥満者において,自ら「やせたい」と考えることこそが減量へのスタートラインに立つことだと考えている.しかし,何から始めてよいのかがわからず,行動に移す前段階の「考えている」,「思っている」だけでスタートを切れずにいる人も多いものと考えられる.減量指導・減量支援を開始しようとするとき,肥満者が「やせたい」と思っているのか否かでアプローチの仕方を変えることが重要である.減量へのスタートを切れる状態にあるのか,減量に向けたスタートラインに立たせるための準備が必要な状態なのかを見極めることから始める.対象者の心理的背景を考慮しながら,段階的に無理なく指導・支援していくことが肥満治療にはとても重要なことである.
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