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Case
食事療法・運動療法継続にて,糖尿病から境界型となった症例
症例は,55歳男性,身長168 cm,体重77 kg,BMI 27.3 kg/m2.健康診断にて,空腹時血糖173 mg/dL,HbA1C 7.8%を指摘され当院糖尿病センターを初診した.初診時,食後血糖値268 mg/dL,HbA1C 7.7%,尿検査では,尿糖(++),尿蛋白(-),微量アルブミン尿26.2 mg/g・Cr,血圧152/88 mmHgであった.身体所見では,頸動脈に雑音なく,心・肺異常所見なく,両下肢の膝蓋腱反射,アキレス腱反射は正常であり,足病変を認めなかった.毎年,会社の健康診断を受けており今回初めて異常を指摘されたとのことであった.家族歴で糖尿病はなし.糖尿病教育・治療入院を勧めたが,仕事の都合で入院は難しいということであった.仕事は会社の部長職で,ほとんどデスクワークであり,初診時,食事療法(1,840 kcal,塩分7 g)の栄養指導を栄養士に指導してもらい,2週間に1回外来加療してもらうことにした.運動習慣は付き合いでのゴルフを月に1~2回程度という身体活動状況であった.栄養指導記録から,外食が多く1日2,400~2,600 kcalで脂質の摂取量が多いということであった.2週後に眼科依頼し眼底は網膜症なしであった.4週後に胸部X線,安静時とマスターダブル負荷心電図を施行した.CTR 50%で心拡大なく,マスターダブル負荷試験で虚血性変化を認めず,4週間後の空腹時血糖値は食事療法のみにて154 mg/dLと低下したが,体重は77 kgで変化を認めなかった.外来にて運動療法の血糖コントロール,体重の管理の有用性につき説明し,運動療法の実践の指導を受けることを勧めると患者は納得したため,運動トレーナーが外来に来て運動療法につき説明し,運動指導室での運動指導を行った.
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