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特集 どうしたらやせられる?―名人の示す実例集
Ⅱ実践肥満攻略法
肥満患者の心理療法
Psychotherapy for Obesity
野崎 剛弘
1
,
松林 直
2
1九州大学大学院医学研究院 心身医学
2福岡徳洲会病院 心療内科
キーワード:
①肥満
,
②むちゃ食い
,
③認知行動療法
Keyword:
①肥満
,
②むちゃ食い
,
③認知行動療法
pp.59-64
発行日 2011年1月15日
Published Date 2011/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101139
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はじめに
肥満患者はしばしばさまざまな心理的ストレスを抱え,また,うつ病をはじめとする精神疾患を併存している者も決して少なくない.したがって,肥満の治療にあたって心理的側面に配慮せず,身体的側面のみをみて減量すると失敗することが多い.現在,肥満治療は,外科療法以外では,食事療法,運動療法に,患者の心理・行動的側面も十分に焦点を当てた行動療法や認知行動療法を組み合わせた,包括的治療法が最も効果的であるとされる1).
われわれは,肥満患者に対し,Oxford大学のCooperとFairburnら2)が開発した,減量だけでなくその後の体重維持にも焦点を当てた新しい認知行動療法(cognitive behavioral therapy : CBT)を,国立精神・神経医療研究センター病院心療内科と共同して実施し効果を上げている.本稿では,CooperらのCBTの概略3)を説明し,その実践例を含め,心身両面から検証した成果を述べる.
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