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糖尿病を持って生活する人にソクラテスが対話をしたら
清野 弘明
1
1せいの内科クリニック
pp.88
発行日 2008年1月15日
Published Date 2008/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100781
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糖尿病は,行動の疾患とも言われています.糖尿病という環境の中で起きうる情動が行動に影響していきます.この情動は環境や出来事を認知することより起きてきます.認知は機能的認知と非機能的認知に分類されます.糖尿病を治療にていく上で,非機能的な認知を修正してくことが必要となる場合もあります.
糖尿病患者さんに,ソクラテスが会話をしたらどうなるだろうということを考えたことには理由があります.ソクラテスは対話をしながら知識を与えるのではなく1人ひとりの思い込みを取り除いたと言われています.ソクラテスが向き合ったのは対話する1人の魂であったそうです.人間は,自分の置かれている環境や出来事を認知し,情動反応や行動が起こります.糖尿病患者さんには,糖尿病という新たな環境が加わることになります.この環境の中で,悪循環する認知と行動があります.
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