第2回 兵庫低侵襲モニタリング研究会
ソクラテス的弁証法でフロートラック センサーを考えてみる
内藤 嘉之
1
1明石医療センター 麻酔科
pp.988-997
発行日 2009年10月1日
Published Date 2009/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100775
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手術室やクリティカルケアにおける循環動態モニタリングでも,低侵襲化が近年のトレンドである。動脈ラインから得られる情報にもとづいて心拍出量を算定するフロートラック センサーは,このような低侵襲モニタリング法の代表的存在であり,本邦でも約2年前から臨床使用されている。
新しいモニタリング法に親しみ,それを十分使いこなすには,メーカーや学会・学術誌から得られる情報を受動的に学ぶことに加えて,自分たちの使用経験を持ち寄ってフランクな議論を交わすなど,能動的に学ぶ機会を持つことが大いに役立つ。そこで,昨年秋に近隣諸施設の麻酔科医を語らい,兵庫低侵襲モニタリング研究会と銘打って,それぞれの施設におけるフロートラック センサー使用経験の検討会を始めた。この試みが出席者から好評を得たこと,さらに半年経って各施設とも使用経験がいっそう蓄積されたことなどから,今春2回目の研究会が開催できた。以下に,当日の発表とそれに関する議論のなかから,司会者として特に興味深かった点をいくつか取り上げ,論点を整理して紹介する。
なお当日は,出席者から寄せられたフロートラック センサーの技術的詳細に関する疑問に対して,エドワーズライフサイエンス社 VCCマーケティング部,Benjamin Pratt氏にお答えいただいた。氏は日本語に堪能な方であったが,当日は麻酔科専門医を目指す若者も数多く出席されていたため,英会話のトレーニングも兼ねて,英語でお話しいただいた。
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