JIM臨床画像コレクション
バルサルバ洞動脈瘤破裂
山本 邦彦
1
1聖マリア病院循環器内科
pp.526
発行日 1998年6月15日
Published Date 1998/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414902492
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バルサルバ洞動脈瘤破裂は,そのほとんどが,先天的に脆弱で動脈瘤状に下方に膨出しているバルサルバ洞の動脈壁が,多くの場合30歳以降に破裂することにより発症する.まれに梅毒,感染性心内膜炎により後天的に発症することもある.胸痛に続いて心予備能の低下(短絡の大きな例では急性心不全),脈圧の増大,拡張期に増強する連続性雑音の新たな出現があれば,本症を疑う.
本症は右冠動脈洞に発生することが最も多く,無冠動脈洞がこれに次ぐ.また,右室に破れることが最も多く,右房がこれに次ぐ.心室中隔欠損症や大動脈弁閉鎖不全症の合併に注意する必要がある.
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