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ギラン・バレー症候群に関する概念の変化
溝渕 和久
1
1今西医院
pp.512-513
発行日 1997年6月15日
Published Date 1997/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414902184
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概念の激的な変化
ギラン・バレー症候群(GuillainBarre syndrome)は急性麻痺の最も多い原因疾患である.筋脱力は日の単位で発生し,ときには驚くほど速く重症化する.患者の35%はICUでの治療が必要となる.近代的管理により致命率は30%から3%に減少し,75%の患者は6~12カ月で完全回復する.ギラン・バレー症候群の機序はよく分からないが,慣習的に末梢神経のミエリン鞘に対する免疫介在性攻撃によると考えられてきた.しかし過去10年間で新しい知見がもたらされ,疾患の概念は劇的に変化した.脱髄性ギラン・バレー症候群においては重症炎症により二次性の軸索変性が誘発されるかも知れない.そのような例では回復はさらに遷延する.
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