病気のはなし
ギラン・バレー症候群
楠 進
1
1近畿大学医学部神経内科
pp.6-10
発行日 2012年1月1日
Published Date 2012/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103408
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サマリー
ギラン・バレー症候群(Guillain-Barré syndrome,GBS)は,急性の末梢神経障害により運動麻痺をきたす疾患であり,しばしば感染の後に発症する.病態は自己免疫であり,糖脂質の糖鎖に対する抗体が急性期の血中に検出されるのが特徴であるが,抗体陰性の症例も4割程度存在する.臨床経過と診察所見が診断には重要であるが,末梢神経伝導検査,脳脊髄液検査,血中抗糖脂質抗体測定は本症候群の診断に有用である.治療としては,急性期のプラズマフェレーシスや免疫グロブリン大量療法が有効である.発症後4週以内に症状はピークとなり,その後は徐々に改善していくが,急性期には呼吸筋麻痺や高度の自律神経障害をきたすことがあり全身管理が大切である.また後遺症を残す例もある.
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