病気のはなし
ギラン・バレー症候群
水地 智基
1
,
桑原 聡
1
1千葉大学大学院医学研究院脳神経内科学
pp.786-791
発行日 2024年8月1日
Published Date 2024/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543209391
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Point
●ギラン・バレー症候群(GBS)は,先行感染後に急性発症する末梢神経障害により,四肢の筋力低下やしびれを呈する疾患である.症状は,通常2週間以内にピークを迎え,その後ゆっくりと自然軽快する単相性の経過をたどる.
●GBSは病理学的,電気生理学的に軸索型と脱髄型の2大病型に分類される.軸索型は症状がピークに達するまでの期間が短く,約1週間である.脱髄型は約2週間,場合によってはそれ以降も進行する可能性がある.
●GBSの標準治療は経静脈的免疫グロブリン療法と血漿浄化療法である.両者の治療効果は同等であるが,簡便性と利便性の観点から,わが国では経静脈的免疫グロブリン療法が頻用される.
●治療しても神経学的後遺症が残存してしまうことがあり,より効果の高い治療法の開発が望まれる.
Copyright © 2024, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.