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特集 内科治療のスタンダード―集団から個への橋渡し
パーキンソン病
Parkinson's Disease
矢沢 正信
1
1厚生連富士見高原病院神経内科
pp.44-46
発行日 1995年1月15日
Published Date 1995/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414901394
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■高齢者パーキンソン病の典型例
患者 81歳,男性.
78歳ごろより右手の振戦に気付いている.翌年歩行に際し,足がつまづき前に転倒しやすくなったため近医受診,脳梗塞と言われた.80歳になると全体に動作が緩慢で無口になり,寝ていることが多くなった.当科初診の3日前に転倒してから,終日臥床状態となった.来院時右側に強い四肢の固縮と右手および躯幹の振戦を認め,自力での起立と歩行は困難であった.頭部CTでは年齢相応の萎縮があるのみで,脳波にも異常はなかった.マドパー200mg分2,朝昼食後とパーロデル2.5mg分2,朝夕食後を開始.座位保持ができるまでに改善,精神症状が出現しないことを確認して翌週にはマドパー300mg,パーロデル3.75 mg分3,食後とした.これにより介助歩行が可能となり自発語も増えた.さらに翌週マドパー500mg (2:2:1),パーロデル7.5mg分3,食後として独立歩行可能となり表情も出てきたが,軽度の嘔気と夜間の頻尿・不眠の訴えが出現したためナウゼリン30mg分3,食後とトリプタノール20mg就寝前を併用した.経過は図1に示すようにシンメトレル150mg分3,食後を加えながらパーロデルを15mg分3,食後まで増量,1カ月後には日常生活はほぼ自立できるまでに軽快した.
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