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特集 内科治療のスタンダード―集団から個への橋渡し
肺結核
Pulmonary Tuberculosis
長井 苑子
1
1京都大学胸部疾患研究所臨床免疫学・第2内科
pp.40-42
発行日 1995年1月15日
Published Date 1995/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414901393
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■症例 自覚症状により発見され,外来で化学療法で治療し得た1例
患者 43歳,男性.
1992年4月下旬より,微熱・咳が続いていた.5月下旬になり血疾がみられたので6月9日受診.
胸部X線写真では,右上肺野浸潤影が認められた(図1).喀疾検査にて,Gaffky 2号の結核菌が検出され,肺結核と診断された.赤沈56mm/1時間値.ツベルクリン反応(PPD O.05μg):40×40mm (+).
直ちに,RF O.45+EB 1,0+INH O.4の3者併用化学療法を開始した.受診時の喀疾培養では結核菌の発育が認められた.薬剤耐性はなかった.「投薬開始1カ月目以後,毎月1回の喀疾培養では結核菌の発育は認められていない.6カ月目(12月22日)の胸部X線写真(図2)では,右上肺野の陰影はかなり縮小していた.
以後投薬中止して,経過を観察中である.投薬中止後1年8カ月が経過したが,症状の再燃,胸部X線写真上の陰影の増大などは認められていない.
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